本当に使いにくいATM

いろいろ使いにくいモノは世の中にあれど、その使いにくさの一端は、作り手が作りやすいように作っているだけだという、とても単純な理由だったりする。

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ATMに限ったことではないかもしれないが、画面に表示されるカナの表って「あ」が左上にあるパターンが多い。でも、「もはや戦後ではない」以降の時代に生まれた人は、右から縦書きに「あいうえお/かきくけこ……」と並んでいる表に見慣れている

ん わ ら や ま は な た さ か あ
□ □ り ゐ み ひ に ち し き い
□ □ る ゆ む ふ ぬ つ す く う
□ □ れ ゑ め へ ね て せ け え
□ を ろ よ も ほ の と そ こ お

この並びの表を見ながら、ひらがなやカタカナを憶えたような気がします。うちの近所のタイ料理店にも、心懐かしいひらがな表が貼ってあります(マスターのボンさんが勉強中なのかな?)

あるいは、「縦書き」という概念が薄れている可能性はある。それは若者だけではなく、いい年の老人たちも、左から縦書きする人がいる。町を見渡してみると看板屋にもいるようだし。そのせいだろうか? もしそれが理由でこの使いにくいATMが生産されているのだとすると、世の中全体の教養の問題なのかもしれない。

教養って必要ないような気がしていたけれども、年を重ねるごとに、必要なモノだと感じるようになってきた。教養はつまり「共通の認識」だ。「共通の縦書き」という認識が薄れてきてしまうと、「あいうえお」が左から始まろうが右から始まろうが関係無くなってくる。そうすると、あとは右ききか左ききかというようなバクチ的確率で、たまたま使いやすい人とたまたま使いにくい人にわかれてしまう。

それと、思いやりの気持ちが薄れているということも感じられる。「お前が使って、使いやすいのかよ」と制作者に問いただしたいところだが、制作者としては「使いやすいとか使いにくいとかは指示書に無い」という返答になるだろう。つまり「使いやすい配列を熟考して配置せよ」と発注しなかった人が悪いことになる。でも、どうせ作るなら、使いやすいものを作れ!! どっかの政治家が「もの作りの国をめざす」とわめいていたが、こんなもの作ってるようでは、ダメですね。

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