普段、書評をしないフォトピエールは、そういうポリシーだからということではなく、本を読まないからです。いつも参考書とかそんなものばかりをバカバカ購入し、税理士には図書教育費が多すぎるんじゃなかろうかとか思われていることでしょう。でも、仕方がない。参考書って高額。
あるとき、FMぐんまを聴くともなくつけていたら、その時は絲山秋子さんが出演する時間だった。絲山秋子さんといえば、中年になってから小説家として輝き始めた中年女性だそうです。社会経験を積んで中年になってから活躍し始める小説家ってたまにいますが、そんな存在。
このヒトが、理由は知りませんが現在高崎にも居を構えておられるようで、それが縁でかどうだかFMぐんまにも出演しているようです。
で、新刊の発売日間近ということで、当然その新刊の話になり、中年女性が一人キャンプをした連載をまとめたものだということがわかりました。そして、高崎が拠点なのでなぜか群馬県の登場回数が多いから、群馬のヒトは読んでみてね、みたいなコトを言っていたので、読んでみることにした。
仕方ねーなぁ。ったく。
エッセイの内容は小説現代に連載された、「中年女性作家お一人様キャンプ」の様子などを書きつづられたモノで、さっぱりしている。余計な描写が少なくて、でも情景がわかる言葉で切り取られている。きっと、こんな写真を撮ることができれば旅行写真作家として売れるかも。絲山秋子さんの場合は、文筆家なので、それで文筆家としてしっかり売れているようだけど。
本の終わりの方の章は総括みたいになっていて気になる。あるいは、いつも同じコトを書いている感じになっちゃってご本人が飽きちゃったのかもしれない。何だか、エッセイというよりも小説としての絲山秋子作品を読んでいるような錯覚にはまり、落ち着いて読めなかったのでした。
オトナの事情なんだろうけど。
それを差っ引いても、他の章はちゃーんとおもしろかったね。やたらと不要な群馬弁が出てくるし──群馬で遊んできたんだから仕方ないけど。しかも、ラヂオでも本文中でも語られていましたけれども、雑誌連載の企画なのに、なぜか絲山さんの自腹ということになってるし。自腹の方が、よりリアルな視線で語ることができますし、何よりも他人が、大企業がお膳立てしてくれたお一人様キャンプなんてつまんなそう。だから、マジ自腹っていい企画だよな。
そういう意味では、絲山キャラ満開な切り口で素直に自由に書かれていて、そこに「ちょっと一人キャンプに行きたいな」って思わせる何かが醸成されているようです。
個人的には、榛名湖の氷上ワカサギ釣り連戦の章とか好きですね。野反湖の章もよかった。野反湖なんて、群馬南部県民はまず行かないけど。いい所ですよ、野反湖。人造湖だけど、冬期通行止め解除すぐに行くと、「元は湿原だったんだなー……」っていう風情がとてもいいです。
事前の販促活動が不足していたものと思われますが、Amazon.co.jpでのランキングが30,000位以下って、マーケティング的にはどうなんでしょうね。これ、ニオイを嗅ぎつけて群馬県が力を注いでいる観光と結びつけてもよかったんじゃなかろうか。「ココロにググッと! 群馬県」とかキャッチフレーズを作ってるだけじゃなくて、そういう嗅覚を訓練することが大切ですね。群馬県。
他の小説類はともかくとして、この本は東銀座にある群馬総合情報センター「ぐんまちゃん家」で売るべきだな。もちろん、群馬のお役人様にそんなコトができると思ってませんけど。
文学も映画も音楽も、その他の嗜好品も勝手な解釈により偏向しておりますけれども、ときどきこういったひらめきに従って行動してみるのも悪くない。ラジオを聴いた日に早速、散歩がしたかったので書店へ出向いた。
発売日は、翌々日ってコトだった。ちぇ。
気を取り直して、翌々日に行ってみた。発売日なのに店頭には無かった。蔵書何万冊とか自慢してる書店のわりに、在庫が1冊も無い。売り切れたのではなくてそもそも入荷してない。本が売れないの何だのと言われて久しいが、こんなもん、売れる訳ないでしょう。そして、「だったらAmazon.co.jpで」とか思うのも当たり前でしょう。社会に対して文句を言う前に、自分の行動を見つめ直した方がいい。発売日に書店に無いなんて……群馬だからか? 群馬在住の作家なのに。
というわけで、さらに数日後、ようやく入手。これで出会えないのならば縁がないのだ、とまで思っていたけど、こんなに頑張って書店通いをして出会えたならばそれはそれで何かの縁。
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DA[blog]:Photo Pierre






絲山さんは、作中で「榛名に土地買った」みたいなことを書いていましたが、そこにもう住んでるみたいです。ゴミ集積場がちょっと遠いと言っています。