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情報を見る目を養って嘘を嘘と見抜く


ツイッターに、こんな情報があった。


面白いこと言うヒトもいるんだなー、と思って眺めてた。コレを鵜呑みにしてじゃんじゃん拡散し、騙されたと憤慨するヒトも多数。憤慨っつったって相手は「月経新聞」だよ。ヒドい名前の新聞だなー、とか思わなかったんだろね。

そしたら、リアルに顔知ってるやつまでリツイートして、憤慨してた。

(^_^;)っ(・_・) オイオイ。なんでやねん。

新聞

これは、烏賀陽弘道 @hirougaya氏の渾身の……とは書いてなかったな、知力を振り絞って考え出されたギャグということなのだが、冒頭「月経新聞ニュース速報」に目もくれずにカーッとなって内容をよく考えもせず拡散するヒトが多かったようだ。だから、大勢にリツイートしちゃった手前、引っ込みがつかなくなり、元ネタ投下者に八つ当たりするヒトも少なくないようだ。知人は猛省してたみたいだけど。

それについて、氏はこうも呟いている。


ちなみに、「〜新聞ってつくと」どころか、リツイートする途中で「月経新聞」を削除しちゃうヒトも出てくるのがツイッターの面白いところ。元ネタが何だかわからずにリツイートすると、その元ネタがなおさらわかりにくくなる。元ネタがわからなくなれば「おい、ソース出せ! ソース!」となるべきなのだが、勢いに水を差すと空気読まないヤツ扱いされちゃうわけで、もうどうでもよくなってゆく。

つまり、ソース(元ネタ)無しで情報だけが拡散しちゃうのだ。

昨年3月に「ガソリン不足でペットボトルに給油したベンツが炎上した」とか「知人から聞いたけど精油所の爆発で放射線の雨が降るから濡れないように気をつけろ」とかみたいなことですね。何だか本当みたいだけど確認出来ない、確認出来ないけど本当っぽい、本当っぽいからそれ信じたい、そんなネタを、確認する前に何の躊躇もなく拡散したくなっちゃう。

ツイッターの魔力よ!

もひとつ、ネットのステルスマーケティング的手法について

一方で、有料の業者などを使って食べログなどに実体験が無い(かもしれない)高評価なバイラルコミュニケーションを書かせている実状があることなどで、ネット関連株が下がったりしています。口コミですと言いつつ、実態はやらせです、さくらです、となっては、母体である口コミサイトの存在価値はたしかに浮かばれませんね。

ヤフー知恵袋でもやらせ投稿…揺らぐ信頼性

飲食店の人気ランキングサイト「食ベログ」で業者によるランキング操作があった問題で、質問掲示板「ヤフー知恵袋」でも専門業者が飲食店の依頼で “やらせ投稿”を行っていたことがわかった。不正の横行で、匿名による善意の投稿に支えられる口コミサイトの信頼性が問われそうだ。

(略)

歯科医院や美容院などの情報を掲載するサイト「口コミ広場」の運営会社「クインテット」(同)によると、こうしたやらせ投稿を請け負う業者は数年前から目立ち始め、同社でも2010年冬、やらせとみられる3業者の書き込みを削除したという。

昨年10月まで、ヤフー知恵袋上で口コミ代行業を行っていた都内の広告会社の社員は、「バイトに書き込む文言を指示して投稿させていた」と打ち明 ける。(略)1回の料金は5000円で、20回8万円などのセット価格も用意。約1年で100万円ほどの収益 を得ていたという。

2012年1月16日14時30分  読売新聞

まったく我が物顔で語る読売新聞。自社のネットサービス「発言小町」の酷さについてどのくらい理解してるのか疑問。読売新聞の記者はその酷い口コミサイトがどのように利用されているのか、よーく考えた方がいい。

このように、新聞やテレビが「ほーれみたことか、だからネットなんかダメなんだ」な態度で報じる一方で、新聞や雑誌の、まるで記事のような「企画広告」は叩かれたことが無いんじゃなないかと思います。カドっちょに小さく企画広告と書くことにしてるからでしょうか。でも、実際に効果が高いから続けられているわけで、その企画広告を信じて商品やサービスの購入に結びついているということですよね。敢えて悪く言えば、すっぱり騙されちゃってる読者がいっぱいいるということだ。

「企画広告」やりませんか、みたいな勧誘だってやってるし。「タイアップ」なんてフツーに語られるし。

あと、深夜とかに放送していると言われている、テレビショッピング。あれだって、顔や名前は知られてるけど斜陽的または落日的なタレントをひっぱりだしてき て「わぁ!すごーい」とか「うっそ、安すぎません?」と言わせてモノを売る。タレントには出演料が支払われているのだろう。あれと、カネを払って業者を使い口コミサイトにわざわざ好評価な書込をさせるのと、何が違うのだ?

この頃では「それはテレビのお話でしょ」ということが言われなくなった。テレビで行われていることは実際の世界でも同じにあると思い込んでいるヒトが多すぎるせいか「これは演出です」なんていう表示がやたら目立つ。その一方で、その商品の危険性などには触れなくてもいいみたいな風向きでもある。山パンはふんわり感がイチオシの売りだけど、誰も「ニッポンでは山パンだけがふんわり添加剤を使っています」とは言わない佐橋隆子さん(旧姓・藤間)だって、一言も言わないしそれを臭わせもしない。

【参考】グーグル先生

そんなことはカンケーなく、白い皿が欲しくて山パンを買い続ける。でも、それってモンダイになりませんよねー?

正義とは何なのだ

宣伝広告において正義を語れば何も言えなくなる。そこが真髄かもしれない。

これで、ネットのバイラルコミュニケーションマーケティングが規制されることになると、テレビやラジオのタイアップ番組とか、新聞雑誌の企画広告、さらには、テレビや映画などでのプロダクトプレイスメントとかはどうなっちゃうのか? テレビの胡散臭いランキングとかはどう規制するのか。

モンダイはそう簡単ではないと思います。

政治屋さんたちは、人気取りのためにヒステリックな消費者の意見をホイホイ聞き入れてサッと規制するのではなく、

  • 状況を広く把握し
  • 類似の事例などをよく検討し
  • 社会的にどの程度受け容れられるかを見極め
  • 必要ならば最低限の規制

としてもらいたい。

年間で推定数百人が死んでいる餅のことには一切触れることなくこんにゃくゼリーを規制、のような過ちを繰り返してもらいたくないものです。

根も葉もなくたって、メディアに乗れば既製事実?

2009年にガッカリしたネタだが、政策なんかどうでもよくて、出来るだけ(いろんな意味において)大きな声で、同じコトを、何度も言ったヤツが選挙で当選する、というやりかたなんて、今では当たり前だ。

広報力が選挙(当落)を決める 広報会議2009年9月号

下々の民たちが、受け容れたい情報を都合良く投下できたら、その情報は合格、ということだ。どっかから火が点いて反対運動が起こっちゃったりしたらその情報は失敗で、その情報そのものが正しくても受け容れられない情報となる。

不思議だ。

そろそろ、信じたくない情報も正しいコトがあるということや、信じたい情報はどこの誰が発したのかよく確認することなんかを鍛錬しなければならないだろう。大本営発表ばかりが罷り通るから、現在の混乱した社会があるということを、よーーーーく考え直す季節なのだろう。


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