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Android のブラウザの UA


先日参加したセミナーの後の懇親会で、直接会話に加わっていなかったのだけれどもこんなセリフが聞こえてきた。

「AndroidなのにUAがSafariとか、わけわかんないアクセスが……」

たしかに、わけわかんない。

アップルが世に放つブラウザ Safari には Android 版が無いのに、なぜか User Agent は Safari と判断していることがあるようなのだ。それは、UAの判別をコントロールしているオペレータが知らないだけということも考えられるが、どういうことなのか、試しにいろいろなブラウザで User Agent を見てみました。

まずは、Android OS で動くブラウザ編

Firefox の UA

firefox_128x128.png

Mozilla/5.0 (Android; Tablet; rv:32.0) Gecko/32.0 Firefox/32.0

Geckoというレンダリングエンジンを使用している数少ないブラウザ 。Firefox(ファイヤフォックス)。なかなか短くてシンプルです。このくらい短ければいいのにな。

Chrome の UA

chrome.png

Mozilla/5.0 (Linux; Android 4.4.4; C6833 Build/14.4.A.0.108) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/37.0.2062.117 Mobile Safari/537.36

Android という OS を世に放つ Google が提供するブラウザ Chrome(クロム)。Android 2 ではまだ存在せず、Android 4 から使えるようになったブラウザ。Google は Chrome 推しでいくべきだとは思いますが、何故か UA には「Safari」とも記されていて、ここはアップル対グーグルのガチンコ勝負どころではないということなんでしょうか??

「Galaxy Safari ウェブブラウザ」

galaxysafari.png

Mozilla/5.0 (Linux; Android 4.4.4; C6833 Build/14.4.A.0.108) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Chrome/33.0.0.0 Mobile Safari/537.36

Chrome と比較して「Version/4.0」って書いてあるか否か、Chrome そのもののバージョン表示、の2点のみ異なりますが、一緒ですね。

こういうのを UA 偽装といいます。UA を偽装しておくと、UAで閲覧者を判断しているサイトでの振る舞いがをコントロールすることができると考えられています。「偽装」というと悪事を働いているように感じるヒトもおられることでしょうが、コントロールしているだけでとくに悪いことではありません。

インストール後に「Cloud」と名前が変わる「Safari Browser」

safaricloud.png

Mozilla/5.0 (Linux; Android 4.4.4; C6833 Build/14.4.A.0.108) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Chrome/33.0.0.0 Mobile Safari/537.36

「Safari Browser」っていうタイトルでダウンロードさせるくせに、いざインストールしてみると「Cloud」という名前に変更されるブラウザ。Galaxy と同じですね。コピペし間違えではなく、本当に同じでした。

インストール後に「Foxy」と名を変えた「Safari Browser」

safaribrouser.png

Mozilla/5.0 (Linux; Android 4.4.4; C6833 Build/14.4.A.0.108) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Chrome/33.0.0.0 Mobile Safari/537.36

内容は Cloud と全く同じですね。このアイコンやばいでしょう。そして、Cloud と共にやましいところを感じながらの発表なので、名前を変えてくるんでしょうか? かなり不思議な感じと違和感があります。

ついでなので、Opera

opera.png

Mozilla/5.0 (X11; Linux x86_64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/35.0.1916.138 Safari/537.36 OPR/22.0.1485.81203

「Safari」とも「Chrome」とも入っちゃうんですね。識別するとしたら「OPR」の部分でしょうか。これ、Opera の略ですよねえ?

Apple の Safari 編

ホンモノの いわゆる Safari ならどうなるのかも、念のため記録しておきます。

Mac OS の Safari

safari_128x128.png

Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_9_3) AppleWebKit/537.76.4 (KHTML, like Gecko) Version/7.0.4 Safari/537.76.4

 iOS の Safari

手元に最新版 iOS 7 が無いので、6 にて。

ios6-safari-.jpg

Mozilla/5.0 (iPod; CPU iPhone OS 6_1_6 like Mac OS X) AppleWebKit/536.26 (KHTML, like Gecko) Version/6.0 Mobile/10B500 Safari/8536.25

User Agent 判別は、気にしすぎないこと

「ヘンなブラウザ」として(どれとは申しませんが)3つばかり紹介しましたが、そのようなブラウザを好んで使う消費者はそう多くないと見ています。アクセス解析ツールを鵜呑みにしすぎないということも必要です。

この頃では、アクセス解析をするにあたり、「生ログを見られることも必要」と終わり頃にサラっと言う講師もいますし、ことあるごとにそれを口にする方もおられます。どちらにしても「Android で Safari!」とツールに表示されたのならば、この記事で紹介したいくつかである可能性はあります。他にも、名前に「Safari」と付かないブラウザはたくさんありますし、UA を自由にコントロールできるブラウザも少なくないです。

いずれにせよ、全体を俯瞰することの他に、ミクロ分析をしてみるのがいいと思います。気になる UA があったとして、「いったい何なんだ!」と思うだけではなく、そんな特殊な UA に気づいたならば、どこから来て何を見て去っていったのかということを見ておくとよいでしょう。


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