「編集者」は けっこう重要なポジション

2014年10月20日 公開

とにかく紙のメディアには編集者というポジションがある。どっからどこまでを編集者と呼ぶのかは線引きがやや曖昧ではあるけれども、とにかく執筆者と閲覧者の間に立つ存在。ところが、紙メディアでもあやふやになりつつある編集者が、ネットメディアになるともういないも同然となってしまっていて、その結果、残念な表現のまま進行してしまうことがある。

本当に残念です。

現在貸し出し中の物件はありません。

作ったヒトはこう考えたのでしょう。

「『売り出し中の物件はありません』としたいが、売買契約は別ページで案内していてまぎらわしい表現になるので、『貸出中』にしよう」、と。

でも、ニッポン語ってただ言い換えれば済むわけではないということがあります。

貸せる物件が無いということは……?

賃貸物件の案内ページを用意したものの、現在貸し出せる物件が無い状態。それはなぜなのか? 「すべての物件が貸し出し中だから」なはずです。だから他に貸せないというわけです。そこへきて

現在貸し出し中の物件はありません

とするのは、やはりかなりヘンテコ表現に感じられます。むしろ、貸し出し中の物件で埋め尽くされているんだろう! と。だったら、せめて「満室」とかそういう言い方でもよかったのではないかと感じられました。

このようなことを申しあげると、「通じりゃいいんだよ、通じれば!」と反論されてしまいます。まあ、だいたいにおいて全く通じないということはないと思います。他にも、同音異義語の多い言語ですが同音異字の書き間違えなんかもそのまま放ったらかしになってしまいがちです。

そして、そのような間違いを放置した結果、言葉遣いがおかしなことになってもそれがフツーになってしまうわけです。「以って」を「持って」と間違えたままにした結果、などひどいものです。

そこで編集者の登場です

そのような誤りを細かく訂正して社会を正しい方向へ導くのも編集のシゴトのひとつではないかと考えていますが、世の中なかなかうまい具合に進みませんね……。日の丸に向かって君が代を歌うことだけが愛国心ではないのです。

編集者というと何だかわかりにくい感じがしますが、メディア内──もしくは社内において、

  • トーンを揃える
  • 数字(日付・価格・統計資料等)のチェック
  • 言葉遣いや誤字・脱字の確認

こんなことをしてくれるヒトが必要です。人事としては、ちょっと短文を書くためごときに人員を増やすことなくできるよう優秀な大卒者を雇っているのだとか思うかもしれませんが、大卒だからといって基本的な教養があるというわけでもありません。高卒だから教養が無いわけじゃないし。

これは、実際には文体だけの問題ではなく、ロゴマーク等の画像利用においても正しく効果的に使われているかどうかチェックする必要がありますね。……15年くらい前までは普通にそういうポジションがあったと思いますが、そういうポジションがあったのはたしかに大手ばかりで中小にはほとんどみられませんでした。だからブランディングという側面においては大手にかなわなかったわけです。

今では、大手まで中小並のブランディングになり、中小はブランディングに力を注ぎつつあるので、もう規模の大小だけでは勝負どころではないように思います。大手だから、今まで信用されてきたから、カネ持ってる老人が顧客だから……というふわふわした感じでは、この先21世紀を乗り切るのは難しいのではないかと思います。

編集者ってべつに専任じゃなくてもいいわけですよ。企業体としての方針をよく理解して判断できるヒトが複数で横断的にやるというやり方でもいいと思います。でも、目に見える売上につながらないので、MBAホルダーとかは排除しようとするかもしれませんね。

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